【その他】
『枕草子』は10世紀の終わりから11世紀の始めにかけて成立した不思議な作品です。内容は歌枕のような地名、辞書的な項目、ひねりの利いた皮肉な分類、宮廷女房日記的なものと、多彩ですが、いずれも、中宮定子の女房としての価値観と美意識を背景としたユニークな文章の集成となっています。
今回は、『枕草子』の宮廷日記的な側面に焦点をあてながら、『枕草子』が書こうとした歴史と、他の歴史資料によって想定される事実との落差、隔たりを取り上げ、『枕草子』がいかに、歴史的事実に背き、抗い、独自の世界を構築していったのかを見ていきます。
そのことで、『枕草子』が描こうとした世界の本質を明らかにし、当時の読者にもたらした影響も考えます。『源氏物語』の登場の10年ほど前に登場したこの『枕草子』という作品がどのように享受され、どのような波及効果を生み出したか。それが後々までどのように受け止められてきたかも併せて考えていこうと思います。
講師 | 三田村 雅子 国文学者・フェリス女学院大学名誉教授 |
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曜日・時間 | 2025年4月~9月 |
受講料 | 前編 11,550円 7回分 |
教材費 | 1100円 |
備考 | 本講座はストリーミング配信です。手続き終了後に、受講用URLをお知らせします。 各自パソコンなどからアクセスしてください。 |